ようこそKAI植物園へ!

1/5
前へ
/5ページ
次へ
 柔らかな木漏れ日が差す中を俺は歩いていた。 「そろそろ着くはずなんだけど……ここか」  立ち止って目を細めた。  外装を無数のツタと葉で覆い、薄汚れたガラス窓を鈍く光らせる巨大な温室が、切り開かれた森の真ん中に鎮座していた。入口横に、 『ようこそ! カイ植物園へ!』  と書かれた木製看板が風に揺られて軋み音を響かせていた。 「いよいよだ、よし、行くぞ!」  渦巻く期待と不安。複雑な思いを胸に、俺はカイ植物園へと一歩足を踏み入れた。 ※
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加