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爬虫類のような目つき。
鋭く尖って、若干目頭が離れている。
薄い口元はやや横に広く見えるが、顎は細く尖っていて、全体の印象はシャープな逆三角形を印象付ける。
さっぱりと短く刈られた髪はおそらく東京拘置所の規則だろう。
差し入れらしき私服はシンプルな白いシャツで、首元のボタンはいちばん上が開けたままになっていた。
規則違反なのかどうかはよく分からないが、今はそんなことはどうだっていい。
身体は縦にも横にも大きくはなかった。
線は細い方だろうと思うが、特別背が高いというわけでもない。
業界でしか聞かない中肉中背をやや痩せの方に傾けたような体格だ。
どこにでもいそうな普通の青年。
やたらと顔が整っては見えるが、その割にあっさりしてしまって突出した特徴に乏しく、不思議と印象には残らない。
夜道にいても不審者には、見えない。
これは目撃証言がなかなか出なかったというのも、頷ける。
整った顔立ちというのはもっとも平均化された顔のことであるという学説を思い出した。
あれは誰の書いた論文だったっけ。
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