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短い首をすくめた堀くんに微笑とともにこう返す。
「柔軟な発想は大事よ。私は怒ったりしないから、何か思いついたら何でも言ってみて。正解しなくても、思いつくことは全部検討していきましょう。この犯人、少なくともありきたりの心理じゃなさそうだから」
この事件の犯人はおそらく、過去の殺人犯とは性質が違うのだろう。
何を考えているのかいないのか、さっぱり分からない。
こういう事件が起きてしまった時、不安を煽られた社会が知りたがるのは「誰が」そして「なぜ」やったのか。
そこが解明されてはじめて、枕を高くして眠れるようになる。
遺族にしても裁判で知りたいのは「なぜ」。
なぜ大切なあの人が殺されたのか、殺意の有無は。
つまり、犯人の心だ。
納得はいかなくても、せめて知りたい。
犯人は一体何を考えているのか!
「そりゃ精神鑑定の依頼も来ますよね」
「それも私のような『鋼の女』にね」
ぶっと息を吐いて堀くんのお尻が回転椅子からずり落ちた。
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