二、私のお母さん

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 だってまず、犯人が正常な精神の持ち主ではないんだから。 シリアルキラーの教科書通り、本件においても犯行はどんどんエスカレートしていった。  最初の犯行では首を絞めて殺害した後、脚や胴を殴る蹴るした上でスカートを裂き、落ちていた木の枝を陰部に突き刺すという犯行だったようだが、二人目からは生きているうちに暴行を加えている。  特にひどいのは四人目の被害者で、後頭部を殴られてから服をビリビリに破かれ、露出した胸部・腹部・陰部がバールで滅多打ちにされている。  中でも陰部へは執拗に加虐されたようだが、これが解剖医の見解通り生きている間にされた行為なのだとしたら、犯人は獣以下だ。  恨みを込めて何度も何度も執念深くなぶり殺す。  これが人間のすることか。 「ドクズの畜生め」  女である私だけでなく、堀くんが毛を逆立てて怒っていた。
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