二人の幼馴染

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「え〜!合コン?!」 放課後、約束通りジョナに来た。 お決まりの向かい合ったソファー席へ座り、いつも通りの注文を済ませ、オレは今日落合から合コンに誘われた話を春太にしてみた。 ずるい!ボクも行きたーい!と言うのかと思ったオレの予想とは違い、春太はショックを受けたみたいにすごく驚いて、それから眉を顰めた。 「…それ、まさかオッケーしてないよね?」 「え、いや、先に約束してたし断ったけど…」 「それって先に約束してなかったら行ってたってこと?」 なんだ?さっきまであんなにルンルンでピザを注文していたのに、一瞬で不機嫌になってしまった春太。 低いトーンで問いかけてくる春太にオレは首を傾げた。 何が気に障ったのだろうか? 「行かないと思う。そういうの苦手だし、楽しめないと思うから」 「ふーん」 正直に答える。 春太はブカブカのセーターの袖元で口元を隠し、視線を右上へ上げた。 これは春太の癖で、何かを考える時にする仕草だ。 「ハル」 「…まぁ、そうだよね〜!あゆむそういうノリ苦手そうだし。あ、また誘われて断りにくかったらボクのこと呼んでねー」 窘めるように声をかけた皇に、春太はすぐいつもの調子に戻った。 「う、うん」 え、なんだ今の。 なんだかオレの知らないところで、春太と皇の二人で通じ合っているような。 除け者にされているような。 そんなほんの少し感じた違和感に胸がザワザワした。 いやきっと気のせいだ。 雰囲気が悪そうになるのを皇が防いでくれただけなのだ。 「それよりさ聞いて〜」 さっきの空気も無かったように、すっかり元に戻った春太は今日あった面白話をし始めた。 些細な出来事なのに、聞いているとふふ、と吹き出してしまうのは春太の話力が凄いからだろう。 そこにたまに交じる皇の感想も、的を得ていて辛辣で、お腹を抱えるくらい笑った。 あっという間に先程感じた不安など忘れて、オレも話すのに夢中になった。 やっぱり楽しい。 三人でいるのが一番心地良い。 ずっとこのまま三人でいれたらいいな。 進路はそれぞれ違って、卒業したらどうしても離れ離れになるのが決まっている。 放課後に集まってこんな風に過ごすことも、もう二度と出来なくなるのだろう。 寂しいな、二人はどう思っているのだろう? このままずっと友達でいて欲しい。
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