麻雀少女青春奇譚【財前姉妹】完結!

126/299
前へ
/299ページ
次へ
12巡目 ◉富士2号店  マナミは首位をキープ。カオリは少し減らしたが、それでも4位と昇級圏内を維持。そして6位にミサト。9位にメグミという結果でリーグ戦第2節は終了した。ちなみにC2リーグへの昇級は7位までである。マナミ達が現在いるリーグはC3リーグ。これを半年間戦って上位7名になれればC2の下位7名と入れ替わるという仕組みである。  そして次はいよいよ新人王戦である。  一方その頃、佐藤スグルの勤める雀荘『富士』は日暮里にある2号店にばかりマサルをとられていた。2号店の店主は萬屋マサルなのである。そのため、スグルが富士の遅番の唯一の頭になっていた。やりがいはあるがマサルがいないとなると社長が来る日しか休みは取れず、ほぼ毎日働いた。人員が少ないとそういう時もあるのが社員というものであるがこの頃はとくに辛かった。最も信頼できる人がいなくなってしまったのだからキツイなんてもんじゃなかった。それでも、スグルは会社に必要とされていると思えば頑張れたし、何事も経験だと考えてこの厳しい労働環境を耐えた。 (マサルさんは今もっと大変なはずだからオレも頑張ろう!マサルさんの築いたこの『富士遅番の時間帯』を守るんだ)という思いで文句ひとつ言わず、平社員の給料で、カズオなどを上手に扱いながらスグルは必死に頑張るのであった。
/299ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加