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15巡目
◉予選終了
4回戦はマナミが少し不調だったが耐える麻雀でギリギリ2着を確保して予選通過するであろうポイントをキープした。
ミサトはしっかりとした守備を固め、自分らしい麻雀を打ち、チャンス手のみ押して勝ち切った。多分ミサトも予選通過しただろうと思われる。
問題はカオリである。先程の半荘でチャンス手を自ら2000 に仕上げてからというもの2000の呪いでもかかったかのように2000点しか張らなくなった。手が悪いというわけではないのだが、最後には安目で2000という仕上がりに必ずなってしまうのだ。
(なんなのもー。このド安めのオンパレードは!)
《ま、アガれるだけマシですよ》
(そうは言ってもねえ、もう4回戦なんだよ?チマチマ刻んでる場合じゃないのよ)
《確かに、ちょっとマズいですよね》
絶対に大きなトップにならないと予選通過できない4回戦でのんびりやってる場合ではないのだが、どうにも上手く行かずカオリのストレスは最高潮まで達していた。
と、そこでついに来た勝負手。
三四伍六六七七八②③666 ④ツモ ドラ6
6切りの二-伍-八は残り4枚しかないがピンフを崩して七切りの三-六-九に受ければ8枚残りのチャンス手だ。
(へへ、やってやる。もー、やってやるモンね!)
《あ、まさかカオリ》
「リーチ!!」
打6
《あちゃー、この子はもう!》
「ロン!」
二三四③④⑤⑤⑥⑦2257
「2600」
そう、カオリはもうストレス最高潮で特殊スキルの『気合で伍引き』を発動させるつもりだったのだ。久しぶり過ぎてみんな忘れているかもしれないが、財前カオリは伍萬の付喪神の加護を受けているので気合いを入れると伍萬を引き寄せてしまうのだ(もちろん山に残っている場合に限る)そして、そんなことしようとしたから本来出ない牌切って対面のダマに放銃。自業自得であった。
《まったくもう、カオリったら》
(ごめん)
《仕方ないですね、そんな人間らしいズルいことに流されてしまう一面も、かわいいです。でも、もうやらないですよね!》
(うん、ごめん。もう、やらないから)
《それならいいんですよ》
こうして、カオリの新人王戦予選が終わったのであった。
予選2位通過 財前マナミ
予選6位通過 井川ミサト
予選19位 財前カオリ
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