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11巡目
◉メグミvsカオリ
今日はプロリーグ第3節。メグミは今度はカオリと当たった。
(はぁ。ついてない。なんでこうも天才達と当たるの?この子がとんでもない化け物だなんてことが分からない私じゃないわ。全く、どういうくじ運の無さなわけ。かわいそうな私)
「あ、メグミさん。今日はよろしくお願いします!」
「はい、よろしくね」
「なんか、不機嫌ですか?」
「そんなことないわ。ただ、ついてないなって思ってただけよ」
「?…あ、今日同卓の中野さん?前回の新人王ですもんね。確かに手強そうです」
今回の卓には中野雅也という35期新人王が同卓していた。それのことをメグミさんは憂いているのだろう。とカオリは理解した。しかし。
「ばか、違うわよ。あんなヒヨッコ相手に憂鬱になるわけないじゃない…あんたよあんた。問題は」
「え、わたし?私はそんなメグミさんが頭を悩ませるような相手ではないでしょ」
《バカね、メグミさんは店でのカオリの成績。つまり私の助言込みのカオリの力を見てきてるんですから警戒して当たり前ですよ》
(あっ、そっかー)
「はあ、まあいいわ。やるっきゃないし。アンタらにはまだ負けてやるつもりはない!私だって並の雀士ではないということを今日は教えてあげる」
「…望む所です」
普段はメグミと対局する時のカオリにはwomanがいた。実質、メグミvs womanという戦いになっていたかもしれない。しかし、プロリーグにおいてカオリはwomanの助言を拒否していた。つまり、ここで初めてメグミvsカオリの対局が始まったのだった。
カオリは助言なしでどこまでメグミと戦えるだろうか。womanはハラハラしながらも静かにこれを見守る。
《メグミは知っての通り強いです。頑張って、カオリ》
(ありがとう、がんばるね)
対局開始
「よろしくお願いします!」
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