麻雀少女青春奇譚【財前姉妹】完結!

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16巡目 ◉強者の証  一方、財前マナミはというと、持ち前の攻撃力で攻めて1回戦で突き抜けたダントツトップになり、この瞬間トータルで敵なし。ならば2回戦以降は攻めなくてもいいなと、無理しないゲーム回しにもっていきイメージ通りの展開で総合首位をキープした。   マナミは問題なさそうだ。しかしミサトはそうでもなかった。新人王戦で優勝という実力を見せつけたからか、周囲の警戒が厳しい。 (くっ、なによこの3人。組んでるの?ってくらい私の親番の時は安手に差し込み合って流すじゃない…。これがプロリーグか。ニューフェイスへの洗礼ってワケ?全く、新人はつらいわ)   その日ミサトはノートップノーラスの不完全燃焼で第3節を終える。 「ミサト、どうだった?」 「どうもこうもないわ。連荘が全然出来ないんだけど!」 「あー、新人王戦で優勝したからね。みんな警戒してるんでしょ。私も3位だったからか警戒はされてたわ。でも、これからはもっと警戒されるのよ、私たち」 「なんでよ?!」 「わからない?強いからよ。やればやるだけ私たちは勝つわ。そうして私たちの強さがバレてしまえばそれだけ警戒は強まっていく。今日のはその始まりでしかないのよ。だから、警戒されることに慣れないとダメ。私なんかは対応タイプじゃないからいいけど、ミサトは気にしすぎるでしょ。対応タイプだから。だめよ、慣れてかないと、たまには無視するくらいでいいのよ」 「そっか、それはそうね」 「そうよ、むしろ警戒されてこそ。それこそが強者の証!」  するとメグミとカオリが対局を終えて2人の所に集まった。 「メグミさんはやっぱり強いわー」 「何言ってるの、カオリも大きくプラスを叩き出したじゃない」 「2人とも好調だったみたいね」笑顔の2人を見てマナミが言う。 第3節終了時点 首位財前マナミ+255.5 2位財前カオリ+235.9 3位成田メグミ+205.6 7位井川ミサト+80.1  なんと茨城組は全員がC2リーグへの昇級圏内に入ってきたのであった。
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