麻雀少女青春奇譚【財前姉妹】完結!

157/299
前へ
/299ページ
次へ
7巡目 ◉円陣  長い階段を降りた先には麻雀をやるスペースとは思えない程広い会場(みせ)があり、そこの入り口の鉄扉に今日の卓組み表が張り出されている。 (どれどれ…私の相手は誰かな?)  本日のリーグ戦第4節は全員バラバラの卓に振り分けられた。ちなみにこの卓組みのシステムは不正を防ぐために毎回成績を打ち込んだあとで入力を押すとコンピュータが勝手に次回の卓組みをランダムで作り出すようになっている。ランダムとは言えコンピュータの設定であまり偏ったことにはならないようにされているのか前回と似た組み合わせには滅多にならない。成績が近い人4人とかにもなりにくいようにプログラムされているようだ。 「今日はみんな別卓ね。メグミさんとも当たらないし」カオリは正直ホッとした。第4節はここでしっかり打って最終節に安心出来るリードを持ち込みたい。そんな時に潰し合いはしたくなかった。したくないからと言って手を抜いた試合をするということもカオリたちは絶対しないと麻雀部のルールとして決めていたので当たらないのが一番いい。 「頑張ろう茨城女子!みんなで昇級するのよー!!」 「出来たらいいですねー!」 「このままなら達成出来るし、今日次第ね」 「よし、絶対負けないぞ!」「オッケー!」  メグミはカオリ達と4人で円形に並ぶと手を真ん中に差し出した。それにマナミとミサトも続く。バレー部みたいな感じで。カオリは運動部に所属した経験がないので一瞬これは何をしたらいいのか分からなかったが(あ、テレビでやってるバレーでたまに見るやつだ)と察して手を一番上に重ねた。  するとメグミが力強い声をあげる。 「勝つぞ!!!」 「ハイ!!」《ハイ!》「ヨシ!!」「オーー!!」  セリフは見事なほどに揃わなかったが、全員目一杯気合いの入った声を上げた。(カオリとwomanは揃った) プロリーグ第4節開始!
/299ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加