麻雀少女青春奇譚【財前姉妹】完結!

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9巡目 ◉攻めた服装  今日は女流リーグ初日。結局、カオリはマナミの服を借りてごまかした。 《全く、カオリったら。麻雀に関係ないことになるとからっきしダメねえ》 (仕方ないじゃん。服の値段があんなにするとは思ってなかったんだもん) 《その点マナミはしっかりしてますね、やはり歳の離れた姉がいるとオシャレへの敏感さは違うということですかね》 (いや、大学入る時には2人で服どうしようどうしようって言ってたし、単純にマナミの方が後の展開に対する気付きが鋭いんだと思う。麻雀でもそうだもん) 《それなら、ミサトはもっと敏感そうですよね。ミサトがどんな服を着て来るかちょっと楽しみですね》  今日も仲良しな同期プロ3人組は駅に集まる約束をしていた。(メグミは家事などで忙しく、時間ギリギリまでは家を出れないため一緒に行くことは無い) 「あっ、ミサトー!…えっ!?」  走ってやってきたミサトの服装を見てビックリした。ずいぶん胸元が見えているではないか。 「えええ?!エッチすぎないそれ!ていうかさすがに寒いでしょそれは」 「やっぱりそうかな…なんか、買う時はこれくらい良いかなって思ってたんだけど、いざ着てみると思ってたより前開いてたのよ。でも、下着はギリ隠れるし、まあ今回だけはよしとして着てきたわ。あ、上着はあるのよ。店内寒いかもと思って。今は走ってきたから暑くて脱いだけど」 「また、得意の運動してきたの?ほんと鍛えるわよね」 「ていうかミサトって胸大きいのね、まじまじ見る事ないから知らなかった」 「あんまり見ないでよ恥ずかしいな…やっぱりこれやめようかな。駅ビルに服屋さんあるし。今から買おうかしら」 「残念、まだ開いてないわよ」 「現代麻雀の記者にきっと撮影されるわね。『新人王井川ミサト攻めた服装で女流リーグに参戦!』とか書かれたりして」 「麻雀は守備型なのにね」  ミサトはかあっと赤くなった。普段は完璧でからかいようがないミサトなのでたまのこういうのは楽しいなとカオリ達は思った。 「こんなでっかい武器隠してたなんて気付かなかったなぁ〜。子持ちのメグミさんより大きいんじゃないの?」とマナミがツンツンつつく。 「こら、つつくな!そこまでは大きくないし!」  電車が来たので3人は乗車した。するとミサトは汗を拭き上着を着ていつもよりも上まで前を止め、その日は結局一日中そのままにしたのだった。
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