麻雀少女青春奇譚【財前姉妹】完結!

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11巡目 ◉2つの強さ  女流リーグ前日の夜のこと。カオリはwomanとミーティングをしていた。 《いいですか、カオリ。麻雀には2つの強さがあります。それは新しい道を行く閃き(アイディア)を生み出す強さと、間違いを選択しない集中力(コンセントレーション)の強さです。その場のアイディアで勝つタイプの強者は麻雀部だとマナミやアンやヒロコです。一方、間違いを選択しない強さ。集中力(コンセントレーション)を持つのはミサトやユウやヤチヨです。他のメンバーはまだどちらとも言えないですね》 (私は?私の麻雀はどっちかな) 《まだですね。アイディアの閃きも経験値も知識も足りないし、しっかりサボらない麻雀を常時打てる集中力を備えてるわけでもない。カオリはまだまだ成長の途中です》 (要するにまだ弱いってコトねー) 《そんなことはないですよ。ただ、カオリはどんなタイプとか決めれる程かたまってない…それはいいことなんですよ。カオリはまだまだ強くなれる。そういうことなんですから》 (はいはい、ものは言いようってね。慰めてくれてありがと) ーーーーー ーーーー ーーー (…って言ってたっけー。んで、いきなり?閃きのマナミと集中力のミサトが相手なわけだ。ついてないな) 《違いますよ、カオリ》 (何が?) 《本当についてないのはマナミとミサトです。カオリと当たるなんて。カオリはどうも自己評価が低いようですがC3リーグ1位昇級は誰なんですか?》 (う…あたしだわ)  《そうでしょう。前にも言いましたがカオリは強いです。臆することはありません。いつものように打てばいいんですよ。強敵には違いないですけど、それは相手の方も思っていることなんですよ》 (そっかあ) 《さ、そろそろ本番ですから私は黙って見守らせてもらいますよ。健闘を祈ります》 「うん!頑張ろ!」 「なーに、カオリ。長いことボーっとしてたと思ったら急に気合い入れて」 (あ、どうしてもwomanと話してるとボーっとしてると思われちゃうな。いかんいかん) 「うん…2人とも…今日はよろしくね!」 「わかっていると思うけど…!」 「ええ…くれぐれも、手加減なしでね!!」 「よおし!本気で行くぞー!」 「はい、それでは、第5回女流リーグ第1節始めて下さい」 「よろしくお願いします!!」
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