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14巡目
◉上下40000点
ミサトから満貫を和了ったことにより8000加点したカオリ。それはミサトと16000点差ついたと言う事だ。それくらいは理解していた。しかし、ミサトのあの様子を見てマナミは鋭く察知していた。ミサトは選択ミスにより和了れる手を逃している。と。
だとすれば、つまり12000を多分カオリが振ってたんだろう。そういう選択も可能だったと読むとカオリと24000点差つけてトップ目に立つはずが、逆に16000点差つけられてラス目になった。それはまだ東場なので順位点のことは無視するとしても、それでも上下40000点の違いがあるということ。そこにマナミだけは気付いていた。なのでこの半荘は驚異的ファインプレーをしたカオリを警戒していかなければならない!とマナミの本能が警鐘を鳴らす。
するとカオリが動き出した
「ポン」
一萬のポン。そしてこの捨て牌…。カオリの狙いはおそらく清一色だ。
既に8000加点している状態からそんな大物手を作られては決定打になってしまう。これは絶対に阻止しなければ。
カオリの下家に位置するマナミはこれを見て放置しておく程あまい打ち手ではなかった。
「チー」
⑦⑧⑨をチー(ドラは⑧)
「ポン」
西をポン
瞬く間の2副露。マナミから一気にピンズホンイツの気配が出る。
カオリの思考
(うぐっ…!コレはやりづらい!ピンズはドラ色だ…ここで無視して押したらさっきの満貫をそのまま差し出すことになっちゃう…加えて私はチンイツなのが分かりやすいから上家は鳴かしてくれそうもないけど、マナミは私から鳴けるもんな…認めよう、分が悪いっ…!)
結局カオリは⑥を掴んでチンイツを諦め、イッツーのみを作りに行き、そこに更に⑨も掴んで降りることになった。しかし、その時のマナミの手は。
①①③⑤⑤中東(西西西)(⑦⑧⑨)
全然アガれる風じゃない。これはカオリを威嚇するためだけに鳴いた手だったのである。
流局
カオリもマナミもパタリと手を伏せた。
(逃げ切った〜)と思ったカオリ。しかしこの時、密かにマナミが心の中でガッツポーズをしていた事はカオリには分からないのであった。
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