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3巡目
◉夢への道を一歩ずつ
カオリはその日、仕事が終わってからアンとショウコの働いてる喫茶店『グリーン』に寄り道してた。例の麻雀教室計画はどうなってるかなと思ったから。すると、なんと既に店舗?があるではないか。店の中から外に続く通路が増設されており、渡り廊下を通ったその先にプレハブ小屋があった。そしてその中には一台の全自動麻雀卓がある。アンとユウはここで麻雀を教えつつ、ネット麻雀の牌譜を添削するなどしていくようだ。
「順調に準備が進んでいるようね」
「はい!オーナーが支援して下さって、高校卒業後はここで正社員にしてくれると約束もされてるし。驚くほど順調です!」
「それは良かった」
ユウとアンの夢は叶っていきそうだ。あと足りないのは集客のための説得力ある実績作りだけだ。そればっかりは一朝一夕には手に入らない。少女達は夢への道を地道に一歩ずつ進んでいく。
(アンたちはすごいね。ねえ、woman)
《ですねえ、毎日部室に集まっていた頃がもう今では懐かしいですね》
(今日はこのあと予定もないし、久しぶりに部室に行こうか)
《いいですね!そしたらユウに連絡しておきますか》
カオリは麻雀部のグループトークに書き込みをした。
“今から行くよー”
“開いてるから勝手に入ってー”
すると野本ナツミからも反応があった。
“私もいこーっと”
三人麻雀を主戦場とするナツミが来るのならということでその日はナツミとユウとカオリでヘトヘトになるまで三人麻雀をした。
その後、仕事を終えたアンとショウコが合流したのでユウは風呂に入った。人数に合わせて四人麻雀に切り替えたが、どうしても『北』を引くと嬉しい気持ちになってしまうし、ドラは二なのに無意味に九を持ってしまう。
「サンマからヨンマへの切り替えはどうしてもややこしいわね」
「ていうか、全然揃わなくてイライラしてきました」
「さっきまで2色でやってたからね。でも、こっちが普通なのよ?」
「あーーーー。全然高い手作れない!!」
あーだこーだ言っているが結局は麻雀が楽しくて仕方ないカオリたち。もう、こうなったらやめられない。
今日は土曜日。少女たちは家に連絡して久しぶりに夜遅くまで麻雀を楽しんだのだった。
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