麻雀少女青春奇譚【財前姉妹】完結!

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8巡目 ◉ミサト派   「井川さんー!すごかったです!」 「ミサトでいいって」 「あっ、そうだった。つい、尊敬しちゃって」 「ふふふ、ありがと。凄いってあれの事でしょ?打九ダマ」 「そうです。何であんな芸当が出来るんですか?」 「まあ、読みよね。ああいうのは本来、同じ麻雀部の『竹田杏奈(たけだあんな)』って子の方が得意でね。今度ユキにも紹介してあげるね。まだ高3なんだけど、鋭い読みで魔法みたいな麻雀をするのよ」 「へええ!それは会ってみたいです」 「…ね、敬語やめない?」 「あ、すいませ…ごめんね」 「いや、謝るこたあないケドね」  ミサトがタイトルホルダーの実力を見せつけている所、一方で財前姉妹はと言うと。こちらも難なく勝ちを重ねていた。  奥の方に記者のような人達がいるのが見える。きっと美人姉妹なカオリたちを取材に来たに違いない。そうは思っていたものの、本当にその通りであったので、少しだけ悔しくもあった。 (私なんて新人王なのにな) 「ミサトなんて新人王なのに、こっちも少しくらい取材したら?って思うよねー」ユキがミサトの心を見透かしたようにそう言った。 「そんなことないよ、カオリたちが話題性があるのは間違いないし」 (顔に出てたかしら?恥ずかしいな) 「私は断然ミサト派。公言するけど、私はミサトの1番のファンですからね」 「わかったから…照れるからそう言うの言わなくていいって…」 「ちょっと!第1節第2節と絶好調な私のことも取材していきなさいよ!」とメグミが記者に向かって言っていた。 「さすがメグミさん。あそこまで行くと逆にかわいいわね…」 「カラッとしていて素敵な方!私はああいうの好きだなぁ」      今期の女流リーグ戦Bリーグは茨城組の桁違いな実力の前に大荒れに荒れていた。この頃、時代が気付きつつあった。次世代のスーパーヒーローが誕生しつつある事を。
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