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第十二局
5巡目
◉準決勝Bグループ決着
2回戦は全員が佐々木剛太を倒すことだけを考えて攻めていた。この点差なら1位を下に落とせば混戦になり結果として2位通過にもなりやすいという考えだ。
竹田慎一は単騎選択で山にありそうな牌よりも佐々木が持っていそうな牌に照準を合わせて七対子リーチ。不発に終わるも佐々木はそれを使い切れず、出すこともできずでノーテン。左田純子は平和を捨ててまでノベタンの佐々木が捨ててる牌待ちでリーチをしてこれも佐々木は掴んでノーテン。そして、佐々木の親番、左田から当たり牌が打たれるも竹田は見逃してツモ切りリーチ。それでも佐々木は放銃しなかったが…。
「ツモ」
一一四四四２２２３４５中中 一ツモ ドラ３
中ドラ1の3200を見逃してのツモり三暗刻で跳満！親の佐々木は6000失点。
佐々木は一も中も止めていたがラス牌をツモられてしまった。こんな事なら一を捨ててしまえばよかった。まあ、そんなわけにもいかないのだが。しかし、戦っている最中にはそんなに冷静に（仕方ない）とは思えないことが多いのが人というものだ。
この時、佐々木は正直言って（うわ、最悪）と思った。そうして前局の一を止めたこと、切っても良かったのではないか？などの反省会を脳内でしていたら…
「ロン！！」
突然のロンが左田からかかる。まだ4巡目だ。しかしこの発声の勢い。そして捨て牌は…
捨て牌
六八５３
特殊な切りだ、嫌な予感がする。バサッと倒されたその手牌は。
①①①②③④⑤⑥⑦⑧⑨南南 南ロン
「12000」
まさかの4巡目メンホンイッツー。早すぎる跳満にぶち当たる。
クラッと来ている佐々木に追い討ちをかけるなら今！とばかりに南2局に竹田がリーチ。佐々木はもう余裕がない。押し返していかなければ決勝に進めない僅差だった。
打６
打四
打⑤「リーチ！」
もはや全力でぶつかるしかないと佐々木は放銃覚悟の反撃をする。危険牌3枚勝負して追いつく佐々木。
2人に挟まれたマナミは北の暗刻落とし南の対子落としなどして撤退しているかに思えた。
（オリたの？この子…そんな大人しくしてていいのかしら？混戦なのに、まあ私は今回は手にならないからオリるけど）と思った左田。しかし…
流局ーーー
「2000.4000」
マナミ捨て牌
１９西一一九
中白北北北南
南①⑨一九①
なんと、マナミは流し満貫をやっていたのだった！強気なマナミがこの場面でただベタオリなんてしてる訳なかったのである。ただオリていただけの左田はすっかり見落としていた。まさかマナミが河で戦っていたとは。
この満貫が決定打となりマナミはトータル1位。2位は微差で現雀聖位の左田純子が決勝へと駒を進めた。
「やったーーー！！」
「やったわ！マナミ！」
観戦していたミサトたちが手を合わせて喜ぶ。まるで優勝したかのような大騒ぎだ。
「ありがとうございました！」
財前マナミ19歳
雀聖位戦決勝戦進出！
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