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第十二局
8巡目
◉選手紹介
「じゃあ、応援してるから頑張ってね2人とも!」
「うん!ありがとう!」「がんばります」
マナミとユウは大勢の仲間に送り出されて対局室へと入って行った。
決勝戦は特別な対局室で行われた。スタジオと言った方がいい。準決勝の撮影とは明らかに違う。本格的な設備の整った舞台だった。
「おはよう」
左田純子はもう来ていた。早い。左田の目も充血していた。どうやら寝れなかったのはマナミだけではないようだ。
「左田さん、もし良ければコレ…」
マナミは今朝買った目薬を渡す。
「私も目が腫れちゃって。せっかくの映像対局ですし」
「あはは、情け無いな。緊張で寝れなかったのがバレバレじゃない。ありがとう。使わせてもらうわ」
(左田プロみたいなベテランでも緊張して寝れないことがあるんだなー)
「おはようございます!」
河野プロがやってきた。開始時間25分前だが全員が揃う。
『えー、開始予定時間はまだなのですが、このスタジオは時間で借りていますので準備でき次第スタートしてしまおうと思います。よろしいでしょうか。まだ応援の方が到着していないとか、ありますか?』
選手全員が開始していいと言ったので早めにスタートすることになった。長引き過ぎて別日にまた対局なんてことになったケースも過去にあったので早く始めた方がいい。
『では、これより第30回雀聖位戦決勝戦を行います』
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『選手の紹介です。準決勝Aグループで勝ち上がったのは若きタイトルホルダー!なんと19歳のアマチュア。女子大生の佐藤優さん!』
「あ、佐藤です。よろしくお願いしまーす」
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『続きまして、準決勝Aで2位通過!今日もトッププロの強さを見せてくれるのか!?A1リーガー河野勇一郎!』
「よろしくお願いします!今日は美女に囲まれて緊張してます」
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『準決勝Bグループを1位で通過したのはなんとプロ予選の1番下から勝ち抜いた少女!新人王戦でも3位という好成績を残しています!新人プロ雀士。財前真実!』
「よろしくお願いします。頑張って、いい勝負をしたいと思います」
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『準決勝Bグループ2位通過は言わずと知れた現雀聖位!左田純子プロ』
「よろしくお願いします。連覇狙います!」
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紹介が終わると卓全体にカッ!とライトが強く照らされた。
『それでは選手のみなさん!始めて下さい!』
「よろしくお願いします!!!」
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