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第十二局
15巡目
◉三色の純子
南入した現在の状況
東家 財前34300
南家 佐藤27900
西家 河野22900
北家 左田14900
(総合点数は全員微差であり。この半荘のトップならほぼ確実に誰でも優勝となる)
南1局流れ一本場は左田が魅せた。
「チー」
68と晒して嵌7をチー。その時の左田の手牌がこう。
北家左田5巡目手牌
三四六八⑥⑦⑧中中発(678)ドラ四
《なるほど、三色ドラ1の2000は2300でとりあえず局を潰そうというわけですね。オーラスの親番は残っているし。悪くない》
(でも、ちょっと軽くない?せっかく満貫チャンスなんだから、まだメンゼンで頑張ってもいいと思ったけど。私は一局一局をもう少し大切にしていきたいけどな)
《ラス目ですし、それはカオリの言う通りかもしれませんね》
次巡ーーー
左田6巡目ツモ伍
打発
《すんなり張った》
(待ちは悪いわね)
その直後、ユウから中が出る。
「ポン」
(鳴いた)
《ノベタンに受け替えですね。打点は同じでも枚数が少し増えます》
しかし…!
打三
(八単騎!)
《なんと!》
そう、この三-六ノベタンというのはドラ表示牌にも使われていて元々5枚しか無く、鳴いてまでして取るような手牌変化ではない。左田純子の狙いはそのもっと先にあるのだ。
左田9巡目ツモ四
(ドラ引いたーー!)
《普通はこれでリャンメンにするのでしょうけど、それだとさっきの単騎受けの意味がない。左田純子は多分…》
打伍!
左田手牌
四四六八⑥⑦⑧(中中中)(678)
《やはり、伍を切るんだと思いました。そのための八単騎ですもんね。見事なものです、確定満貫じゃないですか》
(6枚受けとは言え高目はあと2枚しかないドラで満貫のリャンメンより、4枚ある確定満貫ってことか。すごいな)
次巡左田ツモ七
「ツモ!2000.4000は2100.4100」
この絵図を描いて嵌7の5巡目チーをしてから中ポンと出来る雀士が一体何人いるだろうか。まさにプロの麻雀である。
この絶妙な手順は後に何度も勉強会などで出される話となり、この手がきっかけで左田純子には今さらながら二つ名が付けられることになる。その名も『三色の純子』
財前30200
佐藤25800
河野20800
左田23200
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