麻雀少女青春奇譚【財前姉妹】完結!

238/299
前へ
/299ページ
次へ
13巡目 ◉サンマ戦術発明家ナツミ  アンが予選通過を決めている頃、ヤチヨとヒロコとナツミは佐藤家(ぶしつ)で三人麻雀をしていた。ユウは遠目にナツミの麻雀を眺めながら麻雀教室の資料作りをしている。 オーラス 東家ヒロコ40500点 南家ヤチヨ39000点 西家ナツミ25500点 22335557東東北北中中 ドラ西 (へぇ…。北を抜かずにメンホンチートイにしちゃった。でも待ちが悪いわね。ドラでも引ければ良かったんだけど、どうするのかしら) 打5ダマ  ナツミの選択はダマだった。とりあえず手替わり待ちで。7が偶然出たならロンして2着という考えである。すると… 2巡後 ツモ7 なんと仮テンの7を自力で引いてしまった。 (あちゃー!ナツミどうするのこれ。ツモってもラスのままじゃない) 「ぺー」  なんとナツミはそのタイミングで北抜き! (そうか!これで北を2枚抜いてしまって待ちを変えて打点も上昇させるのね!)  そう思った。しかし。 「リーチ」 (えっ!) 22335577東東北中中(北1枚抜き) (そ、そうか。北は抜いただけであって河には捨ててない以上フリテンじゃない。この単騎は絶好の待ち…!)  すると待ってましたと言わんばかりに一発目にヤチヨが北を抜く。北抜きで一発消しをしろとナツミに教わっていたから当然の判断であった。 「ロン!リーチ一発メンホンチートイドラ1…16000!」 「なにそれ!」 「凄」  ツモ損のあるサンマならではの戦術が今日も野本ナツミによって発明されていくのであった。
/299ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加