14人が本棚に入れています
本棚に追加
/299ページ
第十四局
【師団名人戦編①】
1巡目
◉強敵とのエンカウント
財前姉妹は絶好のスタートを切ってプロ予選を突破しようとしていた。1回戦も2回戦も姉妹はトップで通過をした。そして財前真実の3回戦。
「なっ!?財前真実?なんであなたがこんな予選にいるわけ。現雀聖位じゃない。本戦1回戦からのシードとかあるでしょ」と言われた。あれ、この子誰だっけ。とマナミは少々困惑する。
「えっと、本戦1回戦シードは来年かららしいです。今でこそ期間があいてるけど昔はこの2大タイトルは開催期間が近くて優勝者シードを与えるのは翌年の方が運営として都合が良かったそうなんで」と話していてやっと思い出した。福島弥生だ。
「『らしいです』ってなに敬語なんて使ってんのよ。さては忘れてたでしょう!同期で財前姉妹と井川ミサト同様の次世代のエースって言われてる私のことー!」
「え、そっ、そんなことないよ?弥生チャンでしょ。覚えてた覚えてた」
「明らかに目が泳いでたんだケドー!」
「今日ほら、弥生チャンがずいぶんオシャレしてるから…ね。美人すぎて難しかったっていうかね?」
「ごまかすな!まあ、とにかく私は雀聖位と戦わないと先に進めないわけだ。ふう、仕方がない。なんとか2着にはなれるように頑張るかー」
「3回戦お手柔らかに」
「こちらこそ。頼むから本気とか出さないでよね」
「いや、それはちょっと」
財前真実vs福島弥生
同期の次世代エース対決となる3回戦が始まった。
一方、カオリは3回戦で優勝候補とも言える猿山和寿と当たってしまった。
「あれ、猿山プロ。予選からなんですか」
「はは!ここ1年くらいは好成績出してなくてね。シード権はもらえなかったよ。今日はよろしく!」
「よろしくお願いします」
《カオリ、この男は…》
(ええ、強敵よ。纏うオーラが違うでしょ…でも、2位でよしとか考えないわよ。これにも勝って通過する!)
《ですよね!期待してます!》
財前香織vs猿山和寿
財前姉妹は奇しくもお互いに3回戦で強敵と当たることになった。プロ予選は合計スコアは関係ない。トップと2着が次へ進めるというシンプルなトーナメントだ。2連勝で勝ち進んでいようとここで3着以下なら終わりなのである。
果たして2人はミサトが待ち受ける本戦まで勝ち残れるのか…?!
最初のコメントを投稿しよう!