麻雀少女青春奇譚【財前姉妹】完結!

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6巡目 ◉オダマキ  カオリたちは水戸に帰ってきていた。  最近ではなにかって言うと『グリーン』に寄り道して飲み食いするのが習慣となっていて、今日も例に漏れず麻雀部の少女たちはグリーンにたむろする。 「そう言えばメグミさんは大会出てたのかな?」アイスコーヒーを飲みながらカオリが思っていたことを聞いた。 「出場しないって言ってたわよ。忙しいんだって。上の子のお遊戯会とかとも被るって言ってたから」 「そりゃ子供優先だわ」 「てか子供2人いたんだ」仕事を終わったアンも話に混ざってくる。  私たちは仲がいいようでその実、あまりお互いを知らない。語り合うことはいつだって麻雀のことばかりだから。どこに住んでいるとか、家族が何人とか、何歳であるとか、恋人はいるかとか、全然、全くというくらい興味を持たないのだ。そんな事話すより前に語り合いたい大事な麻雀(コト)で溢れてる。私たちは雀士で、麻雀でのみ繋がっているのだから。特にメグミやアカネやジュンコのことはよく分かっていなかった。知ってることは、麻雀が強いってことだけ。 「さて、カオリ本戦おめでとうの会でもしますかー!」 「やめてよ、予選通過しただけなのに!」 「じゃー、マナミ予選落ちおつかれ会」 「いや、そんなんいらんて!別にいいわよ現雀聖位だし!来年は本戦シードだし」 「…まっ!とにかくお食事会ね」 「私ミートソース食べたい」 「じゃあ私はナポリタン」 「あっ、アイスコーヒーのおかわりください」 『緑一荘(オールグリーン)』からユウもこっちにやってきた。「私もお腹すいてきたからピザ頼んでいい?みんなで食べようよ」 「賛成ー!」  その時ふと、マナミはアイスコーヒーのミルクに目が行った。グリーンに置いてあるのは『スタージャ』のポーションミルクだ。そこには花の写真と花言葉が書いてある。  オダマキ『断固として勝つ』 (へぇ〜。かわいい花だと思ってたけど力強い花言葉なのね)  これがきっかけでマナミはその後、自分がチームリーダーになった時に『オダマキ』という名のチーム名を付けるのだが、その話はまだ先のおはなし…
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