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2巡目
◉理牌トラップ
『さあ始まりました1回戦東1局。まずは親番の左田ジュンコがイッツーの見えるまずまずの好配牌だ』
東1局
親番左田配牌
一二三四四六七九②⑥39中中 ドラ③
打9
スパッと第1打を済ませたらカチャカチャっと理牌をする左田。萬子が多いので上下を整えるのにも少し手間がかかるが映像対局なのでそこは気をつかってキチンと整える。
するとそれを北家の白山シオリが鋭く観察していた。
そして、白山も牌の上下を整える動作をした。こちらも上下を整える動作が多い。すると…
「チー」
二三のターツを晒して四をチー。
打1
四⑥⑥⑦245688 (二三四)
『な…何をやっているのでしょうか白山シオリは。いやタンヤオなのは分かりますけど、そこまでする意図がわかりません、すみませんこれ、私には解説できません』
『なんだろう……見ているのに分からないなんて事あるのか……いや!そうか!分かったぞ。白山プロは自分の手にも萬子が多いぞとウソの情報を親に流したんだ!』
『あ、だからさっきあんなにクルクルしてたんだ。2456の索子まで上下クルクルしてるからおかしいなと思った』
『こんなにも地味で小狡くて、それでいてマナー違反とかにも全くならないトラップがあるでしょうか。そして二三四から四をチー。ここまでやられたら…』
『白山シオリ。なんて恐ろしいことを考える選手でしょう』
(シオリちゃんも萬子が多そう。リャンメン234で鳴いたってことは最悪の場合タンヤオチンイツのハネマンまである。同じ色を集めてたら下家の私は不利になるな…。ここは別色に待ちを求めよう)
5巡目
左田手牌
一二三四四伍六七九344中中
ここからは打4が普通だが…。
(シオリちゃんが萬子ならもう萬子はイッツー固定で四を先切りした方がいいかもしれない。これならどこからでも鳴いていけるし)
打四
しかし、その後伍、六、一と引いてしまう左田ジュンコ。
(なにこれ、全然萬子引けるじゃないの。ていうか、萬子しか引かんし!)
ツモ一でいい加減イラっとしたジュンコはここで打4とした。すると。
「ロン、1000」
ミサトの平和のみに放銃。
この局、アガったのはミサトだったが局をコントロールしたのは間違いなくシオリだ。
東1局は白山シオリの緻密な戦略が決まったのであった。
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