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6巡目
◉昼休憩
2回戦が終わると昼休憩だ。しかし、左田は外に食べに行かないという。
「えっ、食べに行かないって…お弁当持参とかですか?」
「そうじゃなくて食べないの。食べたら眠くなっちゃうからね」
「えっっっっ!!そこまで徹底するんですか!!!」
「だって、シオリさんはあっという間に食べに行きましたよ!」
「シオリはああ見えて食べる事が生き甲斐みたいなとこあるから…。あなたたちも私に構わず食事に行きなさい。私は食後に人よりも眠気が来るタイプだし、昨日もあまり寝れてないから」
「だって、どーする?ミサト」
「うーん、とりあえず軽く食べようよ。ガッツリ食べたりはしないにしても軽食はしておこう」
「それがいいね」
スタジオを出るとチェーン店のよく知ってるファミレスがあったのでそこで食べることにした。安くて学生に優しいイタリアンレストランだ。
「この、エスカルゴのオーブン焼きっていうのすごく気になってるんだけど、どうしても注文できないの」
「あ、わかるー!要するに貝料理だと思えばいいのかもしれないけど、勇気出ないよね」
「美味しいらしいという記事は読んだ」
「……ま、今日のところはムール貝のガーリック焼きにしとこ」
「そ、そうね」
「臭い、大丈夫かな」
「まあ、平気でしょ」
「あとはーー」
「「小エビのカクテルサラダとたらこソースシシリー風」」
「え?同じ?」
「美味しいからね。じゃ、サラダは分けようよ。大きいし」
「ドリンクバーはどうする?」
「いらないよ、そんなに時間ないし」
ピンポーーーン
呼び出しボタンを押したその時、ふと斜め前の長い髪を後ろで縛った女性が1人黙々とステーキを食べている姿が目に入った。
(ねえ、あれって)
(うん、女王様だね)
(ステーキ食べてる)
(髪縛って黙々とね)
(なんかウケるね)
(ライス大盛りだし)
なんか、女王シオリも普通の人なんだな、と2人は思った。
ていうか、なんかわんぱくでかわいい!
ーーーー
ーーー
少しだけシオリに対しての緊張がほぐれた所で午後の試合が始まろうとしていた。
ーーー反撃開始!!
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