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3巡目
◉浮き牌ゼロの構え
《カオリ、どうしましょう》
(なにが?)
赤伍萬の付喪神【woman】は財前カオリに憑いて今ネット麻雀をやっていた。親番中でドラは北
二三赤伍六七八九⑦⑧⑨23北北
《私、自分を捨てることになりそうです》
(何で?八九落とせばいいじゃん!)
《それだとチャンタやイッツーがなくなって鳴きが出来ないから…無しです》
(なら23落とせば?)
《ダメです。それだと四しか安心してチー出来ないので、受けもあまり良くないですし》
(じゃあどうすんの?)
《この手の正着は六切りでしょうね》
(六か…)
《これが唯一のムダなし手順です。チャンタ狙いなので一と1どちらからでも鳴いてテンパイに不安はない受けが残りますし安め引きでもリーチで親満は確定します。それに…》
(分かった、六ね)
切り番にのんびり考える人はいない、womanの話をろくに聞きもせず打六とするカオリ。
《あっ、あっ、私が。私が出ていっちゃいますうう》
(うるさいなあ、六切りってwomanが言ったんじゃない。違うの?)
《違わないです。他の手順には必ず浮き牌が出ますが六切りだけは浮き牌ゼロの構えです。ここを切る時だけ全体で打ててます。他の手順に存在しない強味。それは次切る牌が決定していない手順であるということ。これこそが最も強い攻めの一打であると言えます》
次巡ツモ四
(赤伍切らずに済んだ!ある種の理想的テンパイね!)
《良かった〜》
『リーチ』
数巡後…
『ツモ』
三四赤伍七八九⑦⑧⑨23北北 4ツモ
《6000オールー♪》(イエイ♪)
《どうしましょうカオリ。私達強すぎますね》
(神様にやらせてんだからズルみたいなもんだけどね〜)
《そんな事言っても私だって勝てない時はあるんですから、神が打ってるとは誰も気付かないですよ》
(神様でもコントロールできないなんて、麻雀って偉大ねえ)
《ほんとですね》
今日もカオリとwomanは人間離れした(人間ではないが)成績を叩き出してネット麻雀界で暴れ回るのだった。
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