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4巡目
◉プロリーグ開幕
ミサトは悩んでいた。来週から始まる日本プロ麻雀師団の今期プロリーグ。それに、行く時のことを。
カオリは親友だし、マナミのことも大好きだ。でも、仲良しグループでいつも一緒のノリのままプロリーグに行くのは果たして許されるのか。
部活動だった今までとは違う。これからはプロの舞台に立つのだ。それは、人生を賭けると言うこと。
「がんばろうねー」で和気あいあいと会場入りしていたら他の選手はどう思うだろうか。と、そんな事を気にしているのはミサトだけだったが。
カオリは当然三人一緒に行くものだと思ってたし、なんなら『ひよこ』から貰った予備牌の赤伍萬も持っていって脳内ではwomanともおしゃべりしようとすら思っていた。
マナミだって別行動だとは思っていない。何せ東京までは遠い。この距離を別行動で行くつもりはさすがに無かった。
プロとしての最適な行動はどうなのか、それを考えてミサトは検索をかけたり他者の意見を求めたがどうにも答えは出ない。
数日後
「ねー、明日何着てくー?やっぱ真面目そうなのがいいよねー、駅に何時に集まろっか」と当然明日は一緒に行くと疑わないカオリがいた。その顔を見たら、別行動にしようなんて絶対言えない。あの、基本的にクールなカオリがこんなにニコニコしてるんだ。相当楽しみにしている。私との東京行きを。
「ん…フォーマルならなんでもいいんじゃない。私は地味なやつ着るけど」
「ミサトは顔だけでも金髪ロングで派手な美人系だもんね、服装が多少地味でも全然かわいいと思う。私はどうしよっかなー」
(言い出せるわけないし、もういいや。一緒に行こ。気にしすぎかもしんないし)
ミサトのこういった感覚は危機予測能力の高さであり、これがあるから後に『護りのミサト』と言われる超一流プロになるのであった。
カオリ達の初めてのリーグ戦が、今始まる。
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