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 休憩も終わり、授業の後半もひたすらに付与の練習が続いた。  練習に使われた海藻の山は高く大きく積み上がり、今日だけで僕の腿くらいまでになっている。 「みなさん器用ですね……あたし、もっと時間かかったのに」 「いや、トリシアさんも充分早かったですからね?」  もっとかかった僕からすればほんの誤差だ。  感動する半面、その才能が少しうらやましくもある。 (……でも、頼もしいな)  彼らならきっと、簡単にあの解毒薬を再現できるはず――なんていうのは、まだ気が早いだろうか。  それでも、僕は確かにこの五人に期待している。 「――遅くなる前に、今日はこの辺りにしましょうか」  半分独り言のように言い、それから集中している様子の四人へ声をかけた。 「みなさん、キリのいいところで終わってください」  声をかけると、四人はそれぞれ返事をする。 「分かりましたわ!」 「俺はちょうど終わったところです!」 「……これだけ終わらせたら」 「私ももう終わるところですぞ」  キルダさんとシリルさんには少し待ってもらい、ノルドさんとヤニックさんが顔を上げて小さく息をついたところで改めて四人を集める。 「みなさん、授業初日お疲れさまでした」  そう声をかけると、四人は顔をほころばせた。 「はい! ヴァーミリオン先生もトリシア先生もお疲れさまでした!」 「お疲れさまでした。これからも頑張ります」 「本日はご指導いただき、誠にありがとうございました」 「大変勉強になりましたわ。また次回もよろしくお願いいたします」  一人一人の言葉に頷き、最後に連絡事項を伝える。 「次回の授業は5日後です。それまでは各自無理のない範囲で練習を続けてください。今日はお疲れさまでした」 「お疲れさまでした!」  どうやら授業一日目は無事に終えられたようだ。  
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