銀のお守り

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百合子が転校して来て一か月程経った頃から、雅美が学校を休みがちになった。 「雅美は、どこか具合が悪いの?」三日続けて雅美が休んだ時、楓子は百合子に尋ねた。 以前は、雅美と一緒に学校から帰っていたが、最近は雅美が百合子と帰りたがっていたため、雅美の様子がわからない 「さあ」百合子は微笑みながら、愛らしく首を傾げた。 「風邪ひいたの?」楓子は心配になって、雅美に電話した。 「ううん。なんか身体が怠くって」 「この頃元気ないね。雅美らしくないよ」 「そうだね。今、何処?」 「学校からの帰り道」 「百合子は近くにいる?」 「ううん」 「あの子、どう思う?」 「相変わらず奇麗だよ。ちょっと血色も良くなってきたみたい。何よ、雅美の方がよく知っているじゃない」 「そうなんだけど・・・」 「何かあったの?」 「あのね。はっきりとは分からないんだけど、影がね・・・」電話口で雅美がブルッと震えたような気配がした。 「え? 影って?」 「あ、いや、何でもないの。忘れて。じゃあね。電話ありがと」雅美は、怯えたような声で、早口で喋ると電話を一方的に切った。
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