銀のお守り

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今日は、校外授業の日だ。 朝からすっきりとした青空だった。 生徒は学校から30分程バスで行ったところの小高い山で、環境保護に関する調査をして結果を報告してすることになっている。 生徒達は気に入った者同士、三々五々山林の中で調査を始めた。 楓子がクラスメートの春奈と誠と三人で連れ立って歩いていた時、突然春奈が歩みを止めて、少し離れた木立の間を指さした。 「あれ、あれぇ。見てよ。雅美と百合子じゃない? なんて、大胆」 「九条さんて、大人しそうなのに結構やるなぁ」 雅美と百合子は抱き合うように立っていた。百合子は頭を少し下げて、雅美の首筋にキスしているようだった。 「どうする? 先生に言う?」 「いいんじゃない。関係ないよ」 「雅美は楓子と仲が良かったのに。百合子が来たらすぐ乗り換えるなんて、結構ドライだよね」 「いつか、雅美が言ってたよ。奇麗な子と一緒にいると、自分まで奇麗になったような気がするんだって。あたしンちは、みんなブサイクだから、百合子の傍にいると幸せなんだって」 「ふーん。わかんないね。ただの引き立て役じゃん。もう100%百合子の言いなりみたいだし。楓子といた時の方がずっと元気だったよね」
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