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川端先生を起こし、執筆しているところを見る。
これが芥川の職務だ。
川端先生は今までで一度も締め切りギリギリになったことのない優秀な先生。
「先生原稿はまだですか??」
と言ってみたい気持ちもあるが、なにせきちんと〆切内に書いてくれるので、言ったことはない。
だが、芥川の職務はそれだけではない。
ある日、床にできた不審な水溜りを雑巾で拭くこと。
そしてそれが何故できたのか捜索しないこと。
川端先生は芥川に気づかれてないと思っているようだが、芥川も芥川で勘がいい。
ホコリまみれだったかつての川端先生の恋人の写真が少し濡れていることにも気づいていた。
川端先生と芥川の関わりは秘密、でできている。
だから芥川は精一杯気づかないふりをして叫ぶのだ。
「先生!次はこのネタにしてください!」
この優しい空間に夏目が入ってくるのはまたミライの話。
完
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