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一緒に寝る
俺は顔に違和感を感じて目を開けた‥‥‥‥海が俺に顔を近づけて鼻をつまんでいた・・・・・・にっこりと笑った顔が目に飛び込んでくる。
「海・・・・・・・なにしてんだ・・・・・・」
「棃音・・・・・鼻・・・高いね・・・・・」
「なんだよ・・・・・棃音って・・・・・・お兄ちゃんじゃないのかよ・・・・・・」
「だって・・・・・・・高校生になってお兄ちゃんはおかしいじゃん・・・・・・・棃音って呼ぶから・・・・・・」
「ゆうべは兄ちゃんって言ってたくせに・・・・・・それより起きるぞ」
「棃音・・・・・・俺朝ご飯作る」
「お前が?・・・・・・できるの?」
「うん・・・・・・棃音と一緒に住むからってお母さんに料理教わったもん」
「ふーん、でも材料も何にもないから今日はコンビニにパンでも買いに行くぞ」
「はーーーーぃ」
コンビニでパンとコーヒーを買って朝食を済ますと俺はこれからの事を海に聞いた。
「お前ほんとに一緒にここに住みたいの?」
「うん」
「毎日こっから高校に通うの?出来るの?マジで」
「できる・・・・・・大丈夫・・・・だから帰れって言わないで」
俺は子供のころの事を思い出していた・・・・・着いてくるおまえに「帰れ」って言っていた。
「・・・・・・・仕方ない・・・・・・・暫くやってみれば・・・・・・」
「いいの?ほんとに?・・・・・・・棃音ありがと」
「父さんと母さんにちゃんと電話しとけよ」
「わかった」
「じゃぁ~今日は買い物行くか?必要な物買わなきゃ・・・・・・それとお前に鍵を渡しとく・・・・・・俺はバイトの時は帰り遅くなるから」
「うん」
土曜日は買い物をしてコンビニやスーパーの場所を教えた‥‥…母親から結構な額の生活費をもらってきててそれで買い物をした。
日曜日の朝は海が先に起きて俺が起きた時には朝ごはんが出来上がっていた。
海の作る料理は本当に美味しかった、一緒に住みたく手料理を習ったと言ってたが、ずっと前から練習していたようなそんな気がした。
昼は近くのCafeで食べて俺の通う大学やバイト先を教えて一日二人で一緒にすごした・・・・・・
こんなふうにずっと一緒にいるって事も始めてだった・・・・・
夜も海の作った夕食を食べて風呂に入る・・・・・・寝るのは当然一緒のベッド・・・・・・・
海はベッドの端っこに寝ていた・・・・・・・俺は布団に入ると海の方を向いて腕を引いた。
「落ちるからもっとこっちへ来い」
「うん・・・・・・狭くない?」
「狭いけど・・・・・・仕方ないだろ・・・・・・一個しかないんだから」
「くっついていい?」
「くっつくなって言ってもくっついてくるんだろ」
そう言うと嬉しそうな顔で俺の腕に抱き着いてくる‥‥…
「棃音あったかいね・・・・・・」
「そうだな」
「俺ずっとこうやって棃音と一緒に寝たかった・・・・・・子供の頃&棃音と一緒に寝て一緒に遊んで一緒におやつ食べたりしたかったのに・・・・・・棃音は俺の事嫌いだったの?」
「・・・・・・いや・・・・・嫌いじゃなかった‥‥…お前の事好きだったよ」
「じゃぁなんでいつも俺を置いて遊びに行ってたの?」
「・・・・・覚えてないよ・・・・・・子供のころだろ・・・・・・もう寝ろ」
「俺いっつも置いてけぼりで寂しかったんだよ・・・・・」
「・・・・・・そうだな・・・・・・・泣いてたもんな」
「知ってたのに置いてったの?」
「仕方ないだろ・・・・・・俺も子供だったんだよ」
「そうなんだ‥‥…もう置いてかないでね」
「もう一人でも大丈夫だろ・・・・・・俺が側にいなくても」
「そんなことない・・・・・・・」
「わかったわかった・・・・・・・おやすみ・・・・・明日から早く起きなきゃダメだろ」
「そうだった・・・・・・・朝ごはんとお弁当も作って置いとくから食べてね」
「朝ごはんも弁当もいいから・・・・・・遅れるなよ」
「うんわかった」
海はすぐに寝息を立てて眠った、俺は隣で眠る海の事が気になってなかなか眠れなかった。
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