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海の作った朝食
眠っていた意識がうっすらと覚醒する・・・・・・寝ぼけたままで腕を延ばして隣に寝ているはずの温かな身体を探す‥‥…思っていた身体は無く冷たい敷布の感触に目が覚める。
薄暗い部屋の中は静まり返って誰もいないのがわかった・・・・・・・ベッドに体を起こして部屋の中を見回す。
「海」
呼んでみても返事はなかった・・・・・・・枕の下のスマートフォンで時刻を確認する・・・・・6時半
ベッドから降りて部屋の電気を付ける・・・・・・キッチンの小さなテーブルに弁当の包みとサンドイッチの乗った皿そしてマグカップが置いてあった。
海はいったい何時に起きて弁当とサンドイッチを作ったのだろう。
学校は8時までに登校しなければならない・・・・・・始発の電車が5時半だった。
始発に乗って2時間・・・・・駅から学校までが歩きで15分・・・・・電車が7時半に到着して学校に着くのが7時45分となる・・・・・・始発に乗ったことは間違いなかった。
5時半に乗るために家を出るのが5時10分だったとして弁当2個とサンドイッチを作るのにどれだけの時間を掛けたかはわからないが4時過ぎには起きたと思われた。
起きた時はもちろんの事部屋を出るときもまだ夜明け前で真っ暗だっただろう・・・・・・
そんな時間に起きてサンドイッチと弁当を作って2時間かけて学校へ行く・・・・・・そこまでして自分と一緒に住みたいと言った海の事が胸が痛くなるほど愛おしかった。
それにしても授業を受けて部活をやって2時間かけて帰ってくる‥‥‥‥そんな毎日が続くのだろうかと思う。
続いたとしても睡眠不足で身体を壊してしまうのではないかと心配になる。
テーブルのサンドイッチと用意されたマグカップにインスタントのコーヒーを入れた。
お湯を沸かしてマグカップにそそぐ・・・・・・暖かないい香りがしてくる。
サンドイッチはレタスとチーズとハムだった・・・・・・
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