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海がいない
海が来てからひと月・・・・・一日も欠かさず朝ごはんと弁当を作っている・・・・・
朝はサンドイッチだったりおむすびだったり・・・・サンドイッチもレタスやハムや卵、トマト、チーズとバリエーションに富んでいる。
弁当も一体いつこんなに様々なおかずを用意したのかと思うほどお美味しくて飽きることがなかった。
土日は二人でゆっくり惰眠をむさぼり海の作った朝ご飯を食べる・・・・・・
午前中は1週間分の食材を買いに行ってランチは外食そして午後は部屋でゆっくりするか遊びに行くかその都度二人で決める。
そんな毎日が楽しくて海の居ない生活は考えられないほどだった。
独り暮らしがしたいと言って家を出た俺が今では一人でなんて暮らせないと思うほど海に依存していた。
バイトの無い日は早く帰る俺が夕飯を作って海の帰りを待つ水曜日バイトの日は帰りが遅くなるからコンビニで弁当を買って帰ることにしていた。
夜10時過ぎの帰宅まで海は食事をせずに俺の帰りを待っている・・・・・・
今日もコンビニで弁当を二個買って帰宅する・・・・・・海がお腹を空かせて待っているはずだった。
急いで階段を上がるとドアを開ける・・・・・・・部屋は真っ暗で玄関に靴もなかった。
この時間にまだ帰ってないのはあり得ない・・・・・・すぐに電話をしてみるが着信音が鳴るだけ。
何回掛けても同じだった・・・・・・・スマートフォンを持つ手が震える。
心配で胸の鼓動が激しくなる・・・・・・すぐに駅まで走った。
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