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本当の気持ち
今日 俺が学校から帰るとあいつが部屋のドアを叩いた。
「お兄ちゃん・・・・・・今日剣道部の部長がお兄ちゃんの事褒めてたよ・・・・・・おれすげぇ嬉しかった」
俺は中学では剣道部の主将をやっててその時の部長が今もあいつの部活の指導をしていた・・・・・俺は高校でも剣道をやってる・・・・・・・同じ剣道だから俺があいつに教えてやれることもいっぱいあるのに・・・・・・今更言えない・・・・・・・あいつは俺が剣道をやってるから同じ剣道をやりたいと言った。
以前学校の帰りに剣道部の数人とハンバーガー食べてたらあいつも女の子や男の子達と店に入ってきた・・・・・・俺を見つけるとあいつは・・・・
「アッ・・・・・お兄ちゃん」そう言って駆け寄ってきた。
「こんにちわ・・・・・」俺の友達皆の顔を見て挨拶をした。
「わあ~~棃音の弟?めっちゃ可愛いじゃん・・・・・・こっちこいよ・・・・・・・何年生?」
「中一です・・・・・・俺も剣道やってます」
「そうなんだ・・・・・・兄ちゃん剣道うまいから相手してもらえよ」
「はい」
「おい・・・・・友達が待ってるぞ行けよ」
「うん・・・・・じゃぁ失礼します」
皆は暫くあいつを見てた。
「お前の弟めっちゃ可愛い・・・・・・いいよなー俺も弟にお兄ちゃんって呼ばれたい・・・・・」
「うぜえだけだろ・・・・・」
「嘘いえ・・・・・めっちゃ可愛いって思ってるくせに・・・・・・」
俺は弟を皆に見られて羨ましがられて・・・・・一人こっそりニヤついていた。
俺は本当はお前の事が大好きなんだ・・・・・・・お前が始めて「お兄ちゃん」って呼びかけたあの日からずっと・・・・・・
お前達が家に来たおかげで家の中が明るくなって賑やかになって・・・・・
親父と二人だった時と比べたらずっと家に帰るのが嬉しかった・・・・・・
あの人は料理も上手で優しくていい人だと思ってる・・・・・・・親父はきっと今幸せなんだと思う・・・・・・・それは俺だって嬉しい。
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