ごめん

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ごめん

あの日俺が部活を終えて家へ帰ると門の前で以前告白した女子が待っていた・・・・・・ 「付き合えないって言われても理由を教えてくれないと納得出来ない・・・・・」 彼女はそう言った。 「理由は特にないよ・・・・・交際する気がないだけ」 「何かあるんでしょ・・・・・好きな子がいるとか、付き合ってる子がいるとかさ・・・・・」 「別に・・・・・・」 「じゃぁなんで・・・・・・私の事嫌い?」 「君の事嫌いじゃなかったけど・・・・・・こんなことされたら嫌いになった・・・・・」 そう言うと彼女はいきなり抱き着いてきて泣きじゃくった。 その最悪のタイミングでお兄ちゃんが帰ってきて俺を見た・・・・・・俺の事をちらっと見て玄関へ向かう。 俺は咄嗟に呼びかけた‥‥…「お兄ちゃん待って」「棃音(りおん)・・・・・・待って」 俺はとうとうお兄ちゃんを棃音(りおん)って呼んでしまった・・・・・・ ずっとお兄ちゃんと呼んでいた・・・・・・でも中学に入ってから心の中では名前を呼んでいた・・・・棃音(りおん)・・・・・・・そう呼んでいた。 ー---------------------- (かい)が女の子と抱き合っているのを見た日から、俺は食事の時もあいつの顔を見ないようにした・・・・・家にいるときは食事と風呂以外は部屋にこもった。 俺のそんな態度のせいで家の雰囲気は最悪になった・・・・・・俺が全部悪いのはわかっていた・・・・・・みんなが俺に気を使っていた。 皆いい人たちなのに俺は・・・・・・頑なに態度を崩さなかった。 俺が要るばっかりにみんなが気を使って、楽しい食事の時間も黙ったまま食べていた。 俺が・・・・・意地張って素直じゃないから、みんなに迷惑をかけている。 わかっている・・・・・分かっているのに、頑なに態度を変えなかった。
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