独り暮らし

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独り暮らし

親父と話をしてこれまでの自分を反省出来てすっきりとした気分で一人暮らしをスタートすることが出来た。 出来ればあの人にも海にも直接言った方がよかったのだろうが、6年間の自分の態度を考えると顔を合わせてなんて恥ずかしくて言えなかった。 大学の授業も始まって週3回のバイトも決めた・・・・・・部屋はそれほど広くはないが一人暮らしには快適だった。 料理はやったことがないので食事はコンビニや弁当屋で買って済また‥‥… 独り暮らしになってみて始めてこれまでどんなに自分が恵まれていたのかがわかった。 美味しい料理に温かな部屋、いつでも入れる熱い風呂、それも全部あの人が居てくれたおかげだった。 海の事も離れてみて始めてあいつの事がどれだけ好きかがわかった、いつも俺の後をついてきていたあの顔を見たいと何度も思った。 意地悪なことばかりしていたくせに、今更だろって言われるだろう。 海の事をもっとかまってやればよかった、優しくしてやればよかった。 そんなことを思ったところでもう二度と一緒に住むこともないというのに・・・・・ 今日は始めてのバイト・・・・・・授業が終わって大学の近くの本屋で夕方6時から閉店10時までの仕事だ。 新刊の届いたばかりの本を封を切って棚に並べて行く・・・・・それが終わったら客が読み散らかした本を定位置へ戻す。 意外と本は重くて立ちっぱなしの作業や中腰の作業が続くと腰にくる・・・・・
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