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押しかけ弟
仕事が終わって閉店の作業を終えてマンションへ着いたのは10時半を過ぎていた・・・・・・・
3階建てのマンションにエレベーターは無い・・・・・・重い足取りで階段を登るとドアの前に誰かがうずくまっていた。
部屋の近くまで行ってよく見ると男の人がドアにもたれたまま眠っていた・・・・・・
側には大きなバッグとカバンが置いてある・・・・・・
疲れてすぐにでも部屋に入りたい俺はそいつに近づいて肩を叩く・・・・・・
「ちょっと・・・・・・起きて・・・・・・ドア開けられないんだけど・・・・・」
「ウゥ・・・・ン・・・・・・すいません・・・・・・・」
眠っていた男はゆっくりと顔を上げた‥‥…
「・・・・・・おまえ・・・・・・・海?・・・・・・」
「・・・・・・兄ちゃん・・・・・・・おかえり・・・・・・」
「なんで・・・・・・・なんでここにいる・・・・・」
「・・・・・・・兄ちゃんと一緒に住む・・・・・・・・」
「ハァ~~・・・・・・・・何言ってんだ・・・・・・とにかくドア開けるから退け・・・・・」
俺は部屋に入ると海を見た‥‥…あれからずっとまともに顔を見ていない・・・・・・俺の顔をじっと見つめる海の視線・・・・・・・見つめられて俺は視線を外した。
「家出したのか?」
「違うよ・・・・・・ちゃんとお父さんに言った」
「なんて言ったんだよ・・・・・・」
「お兄ちゃんと一緒に住みたいって」
「俺と一緒に住むって・・・・・・高校は?・・・・・イヤイヤ父さんはいいって言ったのか?」
「うん」
「うんって・・・・・・ちょっと待て・・・・・」
俺はすぐに父さんに電話をした・・・・・・・
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