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頭を撫でられて、コツン…と額同士を合わせる。可愛いなんて、滅多に口にしない空也。
優しい笑顔。
視界がぼやける。
合わせた額が離れた。
「甘えてくる間我慢したご褒美をもらいたい」
頬を指が撫でる。
「2カ月分だ」
「空也……私も……空也を愛していたい」
空也が首を傾げる。
「この時計……」
外そうとしても外れない。ベルトは留め具が特殊な形をしていた。
「1人では外せない仕組みになっている」
空也が腕を持ち上げて、時計のベルト側を重ねる。
カチッと音がして、スルリと外れた。
その時計を空也に差し出す。
「受け取らないのか?」
「………いいえ。嬉しいです。でも……」
「何だ」
「こういう物は2人で買いに行きたかったです」
2人を繋ぐ物ならなおさら。
「次に買う時は一緒に行こう」
2本の時計を重ねて、ベッドサイドのランプの下に置いた。
「次は指輪を買いにいくか?」
ニヤッと笑う。
さすがに男2人で指輪は買いにくい。
額にかかる髪を掻き上げられてキスされる。
「空也……あの……」
額から瞼を通って、頬にキスをされる。
「何だ」
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