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空也以外に迷惑をかけたんじゃないだろうか……。
「あいつが抱えて帰ってきた」
不機嫌な顔。
淳の話をする時はいつだって機嫌が悪い。
「すいません」
お酒は全くと言っていいほど飲めない。
ビールならまだしも昨日はカクテルと酎ハイを飲んでしまった。
一気に回って……以前にも記憶がなくなったことが数回ある。
淳はおもしろがるけどその間に何をやらかしているのか全く分からない。
『抱いてくれてって懇願した』
本当だろうか……。
そのうえ……寝てしまったなんて……。一ヶ月近くも我慢させている相手に自分から誘っておいて寝るなんて……。
「空也……本当にごめんなさい」
真っ赤になって俯く。
「今夜は寝れないと思っとけ」
そう言うと下着を取り出して出ていった。
怒ってる？
そりゃぁ……怒るか……。
『今夜は寝れない』か……。
ゾッと感じるほどの甘い感覚が身体を抜ける。空也と同じく自分も我慢……していた。だから、空也が怒るのは自分でも分かる。
腕のぬくもりも甘い口付けも熱い熱も……思い出して熱くなりかける。
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