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空也にそう言われて、彼を車に乗せた。マンションにつく間に彼は自己紹介をしてくれた。
名前はジュディー・レオンという名前で、ロイとは友達らしい。
空也は何か知っているようだけど、黙ってマンションまで連れて行った。
鍵を開けると同時にジュディーは部屋の中に飛び込んでいった。
リビングで大きな物音がして慌てて後を追う。
ロイが大声で叫んで、それをジュディーが収めている。
「空也?」
振り返って空也に尋ねる。
「痴話げんかだ」
「え?」
空也は言い争っている二人をそのままにキッチンの方へ向かう。
「初音」
手招きされて、キッチンについて行く。
「何ですか?」
「紅茶でも入れよう」
「いいんですか?」
二人を指さす。
「ああ。付き合う必要はない」
空也はキッチンの上の方の棚から紅茶の缶を取り出して、ヤカンにお湯を沸かす。
カップもいつもとは違う上等のカップを用意している。
何で?
「しばらくかかりそうだな」
空也の言うように恋愛関係の話であることは分かった。
「初音。食事はまた今度になりそうだ」
「ええ。それはいいですけど……」
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