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「疲れたか?」
「いいえ。大丈夫です」
走りはしたものの、車に乗っていただけなので疲れてはいない。
ただ、状況が飲み込めない。
「空也……どういうことなんでしょうか?」
「ジュディーはロイの恋人だ」
「え?」
ロイの恋人?
前にセックスフレンドについて話したとき、『僕はそれでもいいんだけどね』って言ってたのはやっぱり空也との関係についてだったんだ。
やっぱり二人はそういう関係で……このジュディーは本命ってことだろうか? 空也が何も言わないのは、それを知っていてそれでもそんな関係を許しているからだろうか。
空也はやっぱり私のこともそういう関係だと言っているんだろうか……。
空也はロイともセックスフレンドってこと?
ティーポットにお湯を注いでいる空也を見つめる。
ガラスのティーポットの中で茶葉がグルグルと回る。
「初音……そっちに座ってていいぞ」
「ええ」
言われてリビングの方の椅子に座った。
二人はまだ言い争っている。
空也がポットとカップをトレーに乗せてテーブルの上にセットした。
「ロイ。ジュディー。そこまでにしろ」
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