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二人を止めて、席に付かせる。まだ何か言いたそうにしているロイ。
空也が英語で二人に話しかける。
「ロイ。迎えが来たんだからいい加減ロンドンに帰れ」
「そんな。だって、ジュディーは……」
椅子に座りながら隣にいるジュディーを見つめる。
「僕は家なんかどうでもいい。ロイ。一緒に帰ろう」
「そう言うわけには……」
言い淀む。
「空也?」
私だけ話が見えない。
「ロイ。初音に説明してもいいか?」
「………」
ロイが困ったようにジュディーを見つめている。
「僕はかまわない」
ジュディーが答える。
空也も椅子に座った。
「僕が話すよ」
ロイが俯いたまま話し始めた。
「ジュディーとは友達の婚約披露パーティーで出会ったんだ。その友達と僕はその……セックスフレンドだったんだ。僕の方は結構本気だったんだけど、振られたんだよね。それで、ジュディーが慰めてくれて、他にもそういう友達はたくさんいて……」
ジュディーを見ると知っているらしくて、俯いたまま話すロイをじっと見ていた。
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