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「え? 空也は?」
空也を見る。
空也が少し驚いた顔をした後、首を振った。
「僕、ゲイじゃないよ」
ロイが笑う。
「え?」
「初音?」
「え、だって『僕はそれでもいい』って……」
「ああ……あの時言ったのは、僕の考えってことだよ。空とは何でもないよ」
ロイが笑う。
「ですが……寝室は?」
確かに寝室は使った形跡もあったし、寝乱れたロイとシャワーを浴びていた空也……そういうことじゃなかったのだろうか?
「寝室はロイが使ってた」
「空也は?」
「俺はお前の部屋」
「え?」
「初音君……僕たちのこと誤解してた?」
「ご、誤解……」
真っ赤になって顔を両手で隠した。
「そうかなって少し思ってたんだよね。ごめんね」
ロイが謝る。
わざとだったってこと……。
わざと誤解を招くような発言をしてたってことなのか……。
「ロイ……お前、何言ったんだ?」
空也の声が低い。
機嫌が悪い。
「別に……だって、仲いいんだもん。僕なんて傷ついて日本まで来てるのに……」
わざと頬をふくらまして口を尖らせた。
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