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ミネラルウォーター。
「ありがとう」
受け取って口をつける。
緑色の瓶の炭酸が入った独特の味。空也が気に入って冷蔵庫にいつも冷やしてある。
この独特の味と炭酸が心地いい。なんだかスッキリする。
「2日酔いに利くんだ」
空也が鞄を玄関に出す。
「荷物は積んでおくから、あいつを呼びに行って来い」
「はい」
瓶を持ったまま慌てて玄関に出る。
空也に荷物を預けてエレベーターで上の階の淳を呼びに行く。
一応チャイムを押す。
「あ、早かったな」
「ええ」
淳が出てくる。
「荷物はそれだけですか?」
「ああ。いる物は送ったからな」
ラフな格好の淳。
黒いジャケットからパーカーのフードを出して被っている。
「体調は?」
ニヤニヤと笑いながら淳が利く。
「何ともありません」
「にしては……」
手に持った瓶に視線が移る。
「昨日はずいぶんご機嫌だったよな……。いいなぁ~旅行」
「…………」
旅行に行く話を淳にした覚えはないから、きっと酔った時に話してしまったんだろう。
エレベーターに乗り込む。
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