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「その……連れて帰ってもらったみたいで……ご迷惑をお掛けしました」
「ま、楽しかったからいいよ」
「他の方に迷惑はかけてないですか?」
「ああ。大丈夫だ。車に乗せるまではまともだったから」
「すいません」
酔っていても気が張っているのか、淳と2人になった途端に気が緩む。
きっと淳が言うから大丈夫。
「俺がいなくても大丈夫か?」
「……ええ」
長く離れることが無かった。
淳の恋人の直樹君だって本当は寂しいはず。
「ま、センセいるしな」
そう言って背中を叩いた。
「困った時はいつでも電話してこいよ。なんならパリまで来てもいいしな」
ニヤッと笑う。
「どうしようもなくなったらそうします」
笑い返す。
エレベーターから降りて空也の車に乗り込む。
「センセ。お世話になります」
そう言って淳が乗り込んだ。
「ああ」
とくに会話もなく、平日で道も空いていたので時間通りに空港に着いた。
「送ってきます」
「俺は適当にしてるから、携帯にかけろ」
「宮、チケット頼むよ。センセ~」
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