来春

5/8
前へ
/131ページ
次へ
 一気に上がる熱と怖いほどの快感が押し寄せて、視界が揺れる。 「……初音…」  繰り返される名前。  突起を吸い上げられて、身体が震える。 「空也……ああっ……あああぁ……」  空也の髪を掴む。  熱い……。  太股の内側を這う手が起立しはじめた自身を握る。 「あっ…ダメ……あああっ」  胸を吸い上げられて、強弱を付けて擦り上げられる。  身体が撓る。  指と唇で両方の胸を刺激されて、自身を握られて熱が上がる。 「空也……ああっ……だ、ダメ」 「まだ触っただけだろ」  意地悪な声。 「空也ぁ」  甘い声が出る。  一ヶ月近くも禁欲していた身体は敏感になりすぎて、まだ始めたばかりなのに熱に翻弄される。  唇を指が撫でる。  その指を舐めた。  その舌触りが心地よくて、口の中に指を迎え入れた。  濡れた音が響く。  二本の指を銜えさせられる。  唾液が頬を伝う。  その唾液を指がすくって足の間に差し入れられる。 「ん……」  身を捩る。 「狭いな……痛むか?」  心配そうに見つめる瞳と優しい声。 「だ、大丈夫……」  ゆっくりと差し入れられる指に意識が集中する。
/131ページ

最初のコメントを投稿しよう!

238人が本棚に入れています
本棚に追加