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別れ
飲まない予定だったのに……。
ジュースだと思っていたものはカクテルで……酎ハイで……。
帰りは覚えてない。
起きたら空也の寝室で……何で裸なのか……。
2日酔いなのか頭も痛いし、胃がむかつく。
それに隣にいるはずの空也がいない。
「空也?」
呼びかけても返事が無くて、着替えも見当たらない。仕方なくベッドのシーツを剥がすと頭からすっぽりと被った。
寝室のドアをほんの少し開いてリビングに呼びかけるが返事がない。
リビングに足を踏み入れて、風呂場の方で音がするのに気が付いた。
えっと……。
リビングの椅子の上には昨日着ていたスーツが掛けてある。下着は脱衣所にある。
空也が出てくるまでこんな格好で待つのも恥ずかしいから、空也が出てくる前に着替えを取りに行こう。
「空也。開けますよ」
一応声をかけてドアを開ける。
「初音? 起きたのか?」
浴室から声がする。
「……はい」
「入るのか?」
シャワーの音が止まって、髪から雫を垂らしながら浴室から顔を出した。
「い、いえ……下着を取りに……」
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