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すっぽりとシーツを被って、顔だけを出している。
空也は裸で、顔が赤くなる。
空也が出てきた。
「な、何で出てくるんですか」
出てくる前に着替えていようと思ったのに、空也はそのまま出てきてキャビンに手を伸ばすとバスタオルを取り出した。
広い脱衣所でも男2人が並ぶと狭い。
「昨日はやけにご機嫌だったな」
頭を拭きながら空也は笑いを含んだ声で言った。
「…………」
バスタオルを肩にかけると、シーツを取ろうとするので、グッと引き寄せる。
空也の身体に付いた水が落ちる。
「身体拭いて……早く下着を付けてください」
なるべく空也から離れて壁に寄る。
「今日は何時に出るんだ?」
早く着替えたいのに空也がいるせいでシーツを取ることもできない。赤い顔のまま空也の方を見ないように不自然なほど離れる。
「10時前には出ないと午後1番の便なので……」
「じゃぁそのまま出掛けよう」
今日からの旅行。
「私まだ準備してないですよ」
昨日の晩にする予定だったのに……。
「まだ時間があるから大丈夫だろ」
まだ7時過ぎだから時間に余裕はある。
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