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淳は後部座席で横になって寝ていたが、マンションに着くとあくびをしながらエレベーターで上がっていった。
「ただいま帰りました……」
同じマンションで空也と同居中。
リビングの電気はまだついていて、エアコンも利いていた。
「おかえり。遅かったな」
「ええ。今日はドラマの撮影でしたから……。風呂に入ってきます」
コートを脱ぎながら自室に戻って風呂に入った。
空也が入ったばかりなのか、脱衣所も浴室もほんのり温かかった。リビングでは空也がまだノートパソコンで何かしていた。
「小説ですか?」
「いや、別の仕事だ」
「そうですか……」
向かい合わせに椅子に座ってミネラルウォーターを飲む。
パソコンに向かっている空也を見る。
カタカタとキーを打つ音だけが響く。
モニターを見ていて視線は下を向いている。。
横にある資料らしき物を時々捲る。
いつも自室で仕事をしているので、こんな姿は初めて見る。
「寝ないのか?」
「寝ますけど……」
普段とは違う様子をもう少し見ていたくて、立ち上がれない。
「ここで仕事してるの珍しいですね」
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