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「飯食べるぞ」
「空也っポスターっ」
空也の自室の前で地団駄を踏む。
勝手に入るわけにはいかないから。空也は1人でテーブルに着いてしまった。
「ん~っ。空也、返してください」
「俺がもらったんだから『頂きます』」
箸を持って食べはじめてしまった。
「き、着替えてきます」
スーツを脱いでベッドに投げるとジーパンと薄手のパーカーに着替えて、リビングに戻る。
「スーツ掛けたのか?」
「まだです」
また部屋に戻ってスーツを掛けてクローゼットに片付けた。
お腹も空いたし、ポスターも返して欲しい。
バタバタとスーツを掛けて、Yシャツを洗濯に出して……。忙しなく部屋を出たり入ったりして、やっとテーブルに着いた。
「『頂きます』……空也、あのポスターどうして、若塚さんが空也に送ってきたんですか?」
「ん、報酬?」
「報酬? って、また社長に何か言ったんですかっ?」
空也のお兄さんと社長がお友達で、もう1人のお兄さんがスポンサーをしていることは知っている。だから、空也の事も社長は知ってるみたいだし、勝手に私の休みを申請してしまった事もある。
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