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「郵便ポスト」
「あらっ、電話が架かってきた……。もしもし、あっ、中川さん? 今ちょうど郵便ポストの前にいるの。今から出すの。ごめんねぇ、遅くなっちゃって……。もう少ししたら届くと思うから」
日曜日の朝、私は携帯電話を片手に、郵便ポストの前にいる。
「それじゃぁね」
電話を終えた後に事態は急展開した。
「えっ!? 郵便物と間違えて勢いで携帯を投函しちゃったじゃない!?」
私は一度深呼吸をした。
「そうよ! ポストに書いてある番号に電話すればいいのよ。って携帯がないじゃない!?」
私は周りを見渡した。
「公衆電話もないじゃない!?」
私はテクノロジーの進歩を一瞬だけ呪うとともに、窓口の有り難さを痛感した。そして、郵便ポストに書いてある郵便局の電話番号を目に焼き付け、本来投函するはずだった郵便物を抱きしめて、公衆電話か交番を探し歩き始めた。
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